早めの対策!!紫外線について その2

さて、九州南部はまだ梅雨ですが、だんだんと夏sun.gifが近づいてきているようです。

今年は特に節電にも取り組みたいですが、お肌のケアも忘れずにgood.gif

紫外線対策、前回の続きです。

☆日焼けの種類

 ~サンバーン(sunburn)~

 主にUV-Bをあびて、肌が赤くなった状態をいいます。

屋外などで紫外線を浴びて数時間から2、3日後に現れる症状です。その後サンターン(褐色化)になったり、ひどい時は肌が炎症を起こしたり、水ぶくれになったりすることもありますbearing.gif

 ~サンターン(suntan)~

 肌が赤くなった後、黒く(褐色)なる状態をいいます。

これは、紫外線を浴びるとメラニンという色素細胞が作られ、肌を黒くしてしまうのです。紫外線を大量に浴びた場合、メラニンが過剰に作られ、それが「シミ」となりますwobbly.gif

☆日焼け対策

 傘やサングラス、日よけの手袋やストールなど。中でも日焼け対策の基本となるのはサンスクリーン剤(日焼け止め)です。

最近ではようやく男性も日焼け対策をする方が増えて来ましたねshine.gif

日焼け止めを購入する際によく「SPF・PA」という言葉を目にしませんか?

これらは、いずれも紫外線防止効果の指標です。

○SPF

 SPF(Sun Protection Factor)とは、サンバーン防止効果を示す数値のことで、具体的には肌を赤くしたり(サンバーン)、皮膚癌の原因となるUV-Bをどれほどの時間防いでくれるか?といったことを数値化したものです。

SPF値が高ければ高いほど紫外線Bを防いでくれる時間が長いということですが、紫外線Bを防ぐ力はSPF30あればかなり大きく、それ以上はそれほど防ぐ時間が大きくならないといわれています。

ちなみに現在日本の場合、SPF値は最高で「50」までしか表示できないことになっており、SPF50以上の場合『50 +』と表示されています。

○PA

 PA(Protection grade of UVA)とは、主に肌を黒く(サンターン)したり、しわ、たるみ(光老化)の原因となるUV-Aをどれほど防いでくれるか、を「+」表示されたもので、「+」や「++」などで表します。

☆サンスクリーン剤について

 サンスクリーン剤には2つのタイプがあります。

~紫外線吸収剤~

 紫外線吸収剤は、紫外線を一旦吸収し、熱エネルギーに変換して放出させる成分のことで、SPF値の高い日焼け止め商品に使われることが多いようです。しかし肌(皮膚)への負担も大きくなり肌荒れを起こすこともあるので、肌が弱い方や子供さんなどはSPF値が高い紫外線吸収剤が配合された日焼け止めはあまりオススメできませんsweat02.gif

紫外線吸収剤としては・・

・ケイ皮酸誘導体(メトキシケイ皮酸オクチル)
・パラアミノ安息香酸誘導体(ジメチルPABAオクチル)
・ジベンゾイルメタン誘導体(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)
・サリチル酸フェニル    

などがあります。

~紫外線散乱剤~

 紫外線散乱剤とは、紫外線を反射(散乱)させる成分のことで、肌上で化学変化を起こさないので、紫外線吸収剤配合の物よりお肌への負担が少ないと言われています。

紫外線散乱剤としては・・

・微粒子酸化チタン
・酸化亜鉛
・酸化セリウム
・カオリン
・タルク   

などがあります。

いずれのサンスクリーン剤もSPFやPAの数値によって用途・効果が異なってきます。

用途 SPF PA
短時間(1時間程度)の外出 SPF;10~20 PA;+
数時間の外出 SPF;20~30 PA;++
数時間の野外でのスポーツ等 SPF;30~50 PA;+++
海、プールなど ウォータープルーフ  

これは目安ですが、サンスクリーン効果は落ちてしまうので、2、3時間での塗り直しが必要ですsign03.gif

シルキー薬局では、前回もご紹介しましたNOV、2eの日焼け止めも数種類ご用意しております。用途やお肌のタイプによってご相談下さい。サンプルも差し上げております。是非お立ち寄りくださいheart.gif

今年の夏は、お肌をしっかりケアしながらシミを残さず楽しい思い出を残しましょうねicon_cool.gif

 

UVケア徹底ガイド参照

薬剤師;原口

湿布かぶれにご用心!!

日差しが強い時期になってきましたね。

 

紫外線もガンガン降り注いでいます。

 

皆さん、湿布にかぶれたことはありませんか?ちょっとしたかぶれ程度ならかゆみや炎症を抑える塗り薬で治療はできますが、湿布を貼った部分と紫外線と反応してひどくなってしまう「光線過敏症」という副作用があります。

 

何だか、どこかのヒーローの必殺技のような名前ですが、初めて聞かれる方も多いと思います。

 

 

「光線過敏症」は主にUVAが関係します。血圧を下げる薬(降圧薬)(特に利尿剤など)、化膿止めの薬(抗生物質)、痛み止め(消炎鎮痛薬)などで時に起こります。

 

薬以外にも、多形日光疹、慢性光線性皮膚炎がありますが、今回は良くある、経皮鎮痛消炎外用剤(いわゆる湿布ですね)で起こるものについて話します。

 

光線過敏症は湿布を貼っている間に日光に当たると出るというわけではなく、はがして数週間後にでも出る場合があります。

 

これは、薬剤の特性で、はがした後でも、皮膚に薬剤が残り続けるために起こります。

 

この光線過敏症で有名なものは「ケトプロフェン」という成分でできている湿布です。

 

このお薬に関しては湿布の袋にも「はがした後も4週間程度は貼っていた部分を日光に当てないよう」という記載があります。

 

欧米ではこの副作用の頻度は少ないものの、一般用医薬品での販売は中止になったようです。

 

しかし、最近のデータでは、ケトプロフェンが突出して光線過敏が多いわけではなく、ケトプロフェンの類似薬である(フルルビプロフェン、インドメタシン、フェルビナク)での比較で、やや、ケトプロフェンが高いものの大きな差はでなかったとの報告があります。

 

 

何故、この類似したお薬で光線過敏症がおこるのか? と言いますと、「構造」という、そのお薬の骨組みがあるのですが、その中に、ベンゾイル基という枝葉が含まれるためです。

これが、光線過敏を起こしやすくする物質というわけです。

 

では、このベンゾイル基を含まない(光線過敏を起こしにくい)湿布は? というと、あります!

 

それは、「ロキソプロフェン」という成分の外用剤です。これは、光線過敏を起こしにくいと言われています(湿布かぶれは人によってはもちろん出ます)

 

光線過敏症で、まだ注意をしないといけない点があります。

もし、湿布を貼ったなら、はがした後も、UVカットの衣類やサポーターで保護することや、紫外線防止にサンスクリーンをお勧めします。

しかし、サンスクリーンや化粧品、香水に「オクトクリレン」という成分が含まれているものがあります。

 

この成分は「ケトプロフェン」と共感作(お互いに反応し合う)し、光線過敏症を引き起こしやすくなるという報告があります。

 

 

「光線過敏症」の治療ですが、放っておいても悪化することが多く、病院を受診することをお勧めします。

 

ステロイド軟膏の外用が基本ですが、多くの場合、軟膏だけでは長引くことが多く、痒み止めの抗アレルギー薬と内服の少量のステロイドを使う場合が多いです。

 

 

色々なものが交差して、引き起こされる「光線過敏症」。

 

鹿児島は日本でも特に紫外線の強い地域ですので、皆さん、ご注意くださいませ。

 

 

最後に、「光線過敏症」の予防、注意点をまとめておきます。(最初からこれだけで良かったのでは?…とは思わないでくださいね)

 

  

○使用中、使用後は直射日光を避ける。

  

○特に「ケトプロフェン」を使った際には使用後、4週間は紫外線を避けること。(これは、湿布だけに限らず、ゲル剤、ローション剤、クリーム剤も同様です)

 

○紫外線を避けるために、UVカットの衣類やサポーターが有効

 

○サンスクリーンも紫外線防止には有効です。中でもUVAを防止するPA+++が望ましい。

 

○サンスクリーンで注意しないといけない点は「オクトクリレン・オキシベンゾン」を含まないものを使用すること。(これは化粧品や、香水にも含まれます)

 

 

うちのシルキー薬局で取り扱っている、ノブ、ドゥーエのサンスクリーンはどちらも含まれておりません。

 

お気軽に「光線過敏症」や「サンスクリーン」についてもご相談ください。

                                                薬剤師 有村♂

早めの対策!!紫外線について その1

 最近じめじめして嫌なお天気が続きますねbearing.gif

 この後梅雨がきて本格的な夏がやってきますが、その前にそろそろ日焼けが気になりませんかsign02.gif

 そこで今からしっかり対策で数年後のお肌をシミやしわから守るために、チョットおさらいがてら、紫外線について整理してみましょうnote.gif

  ☆紫外線って何?
紫外線sun.gifとは、地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギーの高い光のことです。 太陽光線は、大きく3つにわけて、紫外線赤外線視光線があります。

☆紫外線の種類

紫外線は3種類あり、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられます。このうち、UV-Cと呼ばれる最も有害な紫外線は、ほとんどがオゾン層によって吸収されてしまうため、地球上にはほぼ届きません。UV-Aは太陽が最も高くなる5月に最も多くなります。しかしながら、最も少ない冬の時期においても、UV-Aは2分の1にしかならず、年間を通して紫外線対策をする必要があるようです。また、UV-Bはオゾン量が最も減る8月頃に最も多くなります。

では有害とされる紫外線のうちUV-A、UV-Bについてみてみましょう。

○UV-A

 UV-Aは皮膚の真皮まで届き、お肌のハリ、弾力に大切な成分である「コラーゲン・エラスチン線維」を切断させ、シワ、たるみの原因(光老化)になってしまうcoldsweats02.gifので、紫外線の中で有害性が弱いとはいえ浴びる量が多くなれば美容に悪影響が出てくるので注意が必要です。また、肌が黒くなるメラニン色素を生成しますが、これは紫外線から肌細胞を守ってくれる役割があります。

○UV-B

UV-Bはオゾン層によって吸収されるため本来は地表には届かないのですが、近年オゾン層の破壊が進み地表にも届いてしまっています。先にも述べましたが、UV-Bに最も気をつけなければならない季節は夏場の晴天時です。またこのUV-BUV-Aと違いお肌の表皮までしか届きませんが、その有害性は紫外線A1001000倍強いsweat01.gifとされており、シミ、シワ、肌の乾燥などの美容に悪影響があるだけでなく、免疫力の低下、皮膚がん、白内障などの病気と深く関わっていることも分かっています。

では日焼けの種類や、どういったもので対策したらよいか次回にお話しますねdiamond.gif

UVケア徹底ガイド参照

薬剤師;原口

花粉症で皮膚のかゆみ?

の陽気に包まれて、過ごしやすくなってきましたねhappy01.gif

花粉症の方も鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの症状がようやく落ち着きだす頃ではないでしょうか?

ところで、春先はまだ空気の乾燥があるためお肌も乾燥しやすく、全身の乾燥性皮膚掻痒症(皮膚のかゆみ)が出やすい時期です。

また、ここ数週間、首付近から頭にかけての湿疹やかゆみがでる患者さんが多いようです。とくにかぶれたわけでもないのに・・・sweat02.gif

これには実は花粉症との関係があります。先ほども述べましたこの時期の乾燥と、紫外線などで肌のバリア機能が低下していると、角質がめくれ花粉が付着、侵入し刺激となってかゆみや肌荒れなどを起こしてしまいます。健康な肌の状態であれば肌のバリア機能が正常なのでこのような刺激を受けにくいのです。また一般的な花粉症の症状で目のかゆみ、鼻水が出たりしますが、このときに目をこすればまぶたの周りが炎症をおこしたり、鼻のかみすぎで鼻がかぶれたりもするので注意が必要です

花粉対策は単に目や鼻、口から花粉が入るのを防ぐだけでなく低刺激化粧品(当薬局ではNOVhttp://www.nov.jp/index.htm、ドゥーエhttp://2e.maruho.co.jp/を取り扱っております)の洗顔料などで洗顔スキンケアにも心がけましょう

お肌の大敵は乾燥と紫外線です。紫外線のお話もまたお伝えしますdiamond.gif

薬剤師:原口

放射線と体や物に受ける影響について。

恥ずかしながら、大学まで物理は苦手で、習ったはずの単位がテレビで飛び交っているにも関わらず、どれくらいの量で安全なのかどうなのか分かりませんでした。結果で言われる「…で安全と言えるでしょう」で判断という感じでした。

でも、気になる~って方や信用できるのか?って方もいらっしゃると思います。私もその一人です。

細かいとこまで全てを書くと量も多く専門的なことも入ってくるので今回は私個人で気になるとこをpick upしてまとめました。様々なサイトからも参照しております。恐れ入ります。

まず、

放射線の単位(グレイとシーベルトとベクレル) ←これは最近よくメディアででてくる言葉です。

グレイ(Gy):放射線が{物体}に当たった時にどのくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位

放射線が{物体}に当たると、エネルギーを{物体}に与えます。グレイ(Gy)は、{物体}が単位質量あたりに放射線から受けるエネルギーの量を表しています。

1グレイ={物体}1kgが受けるエネルギーが1ジュール

      *1ジュール=20℃の水1gを0.24℃上昇させる(1気圧下) 

 

 

シーベルト(Sv):放射線が{人間}に当たったときにどのような影響があるのかを評価する ための単位

シーベルトの値は、まず{人間の体全体}あるいは各臓器等を{物体}と考えて放射線から受けたエネルギー量を出し(グレイの値)、更に人間への影響として数値化するために受けた放射線の種類、受けた体の部位を評価します。(放射線の種類で強さが違い、臓器や組織でエネルギーの受けやすさが異なるため)

ちなみにヨウ素とセシウムはβ崩壊していくのでβ線を放出します。

よくメディアで出てくる数値は小さい値になっています。

1ミリグレイ(mGy)=0.001グレイ(Gy)
 1ミリシーベルト(mSv)=0.001シーベルト(Sv)  1マイクロシーベルト(μSv)=0.001ミリシーベルト(mSv)

 


 

グレイはこの図の{人間}の部分が{物体}になってると思ってください。 

参照:排出放射性物質影響調査:http://www.aomori-hb.jp/index.html

 

 

ベクレル(Bq):1秒間に原子核が崩壊する数で放射能の強さを表す単位

 崩壊するときにでる放射線の種類やエネルギーの大きさには関係がない。

 単純に放射性物質の量を表します。

グレイは放射線を受ける量で、ベクレルは放射線を出す量という感じですね。 

実際影響として考えるときはシーベルトになります。

報道で椎茸から規制値(1kgあたり2000ベクレル)の6倍にあたる1万2000ベクレルの放射性ヨウ素を検出とありました。

そこでシーベルトを計算します。

経口摂取ではヨウ素131は換算量2.2×10‐8(10のマイナス8乗)をベクレルにかけます。

Sv(ヨウ素131)(経口)=2.2×10‐8 ×摂取Bq  となります。

すると、264μSvとなります。

 

出典:(独)放射線医学総合研究所(http://www.nirs.go.jp/index.shtml)(外部サイトへリンク)

http://www.nirs.go.jp/data/pdf/hayamizu0407-hi.pdf

この表からいくと、264μSvはレントゲン検査を受けた時と同じくらいとなります。(しかも椎茸を1日1kg食べた場合)

こうやって理解すると安心感はあります。

ちなみに簡単に計算できるサイトがありましたのでURLを入れておきます。

http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON

さて、放射性物質を大量に摂るとどうなるのか?も気になります。

ガンになると報道もありますが、過去の事例ではヨウ素131による甲状腺ガンになる方が摂ってない方に比べ多くなっていますが、それ以外のガンは報告がありません。

しかし、どれくらいの量を被ばくして発がんになるかは明らかになっていません。

ヨウ素は半減期(量が半分になる時間)が短く8日です。

水道水も1カ月もそのまま入れておけば問題なく飲めるということです。

半減期の長いセシウム(30年)は土壌などには問題がありますが、体内に入っても尿中に排泄されるため100日くらいで半分くらいにはなるようです。

海水への放出が問題になっていますが、これも元々海水にはヨウ素が含まれており、魚もエラから排泄もされるため、長期間、大量のヨウ素が放出されないと問題にはならないということです。

暫定規定値放射性物質で汚染された食品が出回らないように販売を規制するため食品衛生法により設けた基準。

これはそのものを一生食べ続けたときに影響の出る量で設定してあります。

それも5m Svで設定してあります。

そもそも生涯に受ける量が100mSv以下であれば、ただちに健康に影響を及ぼすおそれはありません。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf 

 

 

 

シルキー薬局でも義援金を募ってたくさんの方からの「愛」を届けようと思っております。

もちろん、義援金・支援物資もとても大切です。

東北ではこれから復興に動き出し、生産や出荷が増えてくると思います。

私、個人としては東北産を買い、消費して支援していきたいと思っています。

                            

                                                   シルキー薬局:有村