冬の乾燥肌

毎日寒い日が続いて自宅や職場、学校などでも暖房が入って温度的には過ごしやすい状態だと思いますが、空気の乾燥で肌の乾燥も一段とひどくなりますicon_neutral.gif

乾皮症は、皮膚の表面の皮脂が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気ですbearing.gif

腕や足、特に膝から下によくみられ、皮膚がカサカサしてはがれ落ちたり、ひび割れたりします。
また、かゆみを伴い、掻くと悪化して湿疹になったりしますsweat01.gif
     「健康皮膚」 
   「乾燥皮膚」  ↓ この隙間から水分が逃げていきますdash.gifcoldsweats02.gif
肌の潤いは、①皮脂②角質細胞間脂質③天然保湿因子の3つによって一定に保たれています。
この潤いを保つための日常生活の注意点ですicon_surprised.gif
・入浴時、ゴシゴシ洗い過ぎないことspa.gif
 長くお風呂に入りすぎたり、ナイロン製のタオルなどを使ってゴシゴシ洗い過ぎないようにして皮脂を取りすぎないようにしましょう。
・お部屋の乾燥に注意snow.gif
 加湿器などを使ってお部屋の湿度を保ちましょう。
・刺激の少ない肌着にt-shirt.gif
 皮膚を刺激すると痒みがひどくなります。ヒートテックなどの化学繊維は刺激になりやすいので中に綿などの肌に優しいのを着るようにしましょう。
・アルコールは控えめにbeer.gif
 アルコールや香辛料などの刺激物は体が温まり、痒みがひどくなります。控えめにしましょう。
・肌の潤いを保ちましょうhappy01.gif
 皮膚に潤いを与える保湿剤などを塗りましょう。入浴後が効果的です。
上手な保湿剤の塗り方はこちら。
https://www.maruho.co.jp/hoshitsu/
                          薬剤師 有村

脂肪さ~ん!!

皆さん、脂肪って聞くとメタボや悪玉コレステロールなど体に悪いイメージを持つ方も多いのではないでしょうかpig.gif

今回はその「脂肪」について少し書きたいと思いますshine.gif

脂肪は、「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。

「飽和脂肪酸」は肉類や乳製品などに含まれる、いわゆる動物性脂肪ですねtaurus.gifこれはもちろん人の体内でも作られるので過剰に摂取することはよくありません。この飽和脂肪酸は融点(固体が液体に変わる温度)が高く血液中のコレステロール値を上げ、組織にも溜まりやすいのです。

「不飽和脂肪酸」はさらにω-3系ω-6系に分かれます。もうひとつω-9系もあります。

この不飽和脂肪酸は「必須脂肪酸」と言われています。それは人の体内では作られず、食物から摂るしかないからです。

「ω-3系」はサケやイワシ、肝油など魚に多く含まれる脂肪酸でよく耳にする「EPA」「DHA」がその代表になります。後は種油のエゴマやアブラナ(キャノーラ)にも含まれています。このω-3系は血管を柔軟に保ち動脈硬化を予防したりその他色々体に良いとされる研究が発表されていますpencil.gif

「ω-6系」は紅花油、コーン油、菜種油、ごま油によく含まれています。

体に必要とされるこの「不飽和脂肪酸」ですがこのω-3系ω-6系のバランスが大事になってくるようですhappy01.gif

現代の食事ではω-3ω-6の比率が1:10以上というデータも出ています。それは食用油はほとんどω-6系しか入っていないのでω-3系が不足してくるということです。

ω-3系を多く取ることでもちろん動脈硬化の予防には役立ちますが、DHAを多く取ることでうつ病の予防にも効果があるという研究もされており、特に産後は母乳にω-3系が移行しやすく積極的に魚介類を摂ることが望ましいようですsilky.gif

さて、効果的な摂り方ですが、魚はたくさん食べましょう。もし、エゴマなどの食用油を使うときは酸化しやすいので火にかけない食べ方で更に抗酸化作用を持つVCやVEを一緒に摂ると効果的ですcherry.gif

じゃあ炒め物はどうすれば?これは、ω-9系のオレイン酸を使うと火にかけても酸化しにくいので使うと良いでしょう。このω-9系はオリーブオイルに多く含まれます。

ちなみに余談ですが、植物油でできている「マーガリン」や「ショートニング」はω-6系です。しかし、これは日持ちをさせるために人工的に作られた油が多く含まれ酸化しにくく消化もしない…。言い方は悪いですが食べるプラスチック的な感じと思っていますcoldsweats02.gif摂り過ぎは注意してください。しかし、最近はその油を除去した製品もあるようですが。

日本人は元々海産物を多く摂る人種です。

美味しい海産物が豊富にある日本で健康的な食生活をconfident.gif

薬剤師 有村

ロコモティブシンドローム

久しぶりの更新です。

皆さん、表題にもある「ロコモティブシンドローム」という言葉を聞いたことがありますか?

運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として最近よく使われるようになりました。

??難しい??→運動不足と加齢で筋力が衰えたり関節の動きが悪くなったり骨が脆くなったり段々と体の機能が衰えていきます。

それで高齢になると外出が減り、さらに運動不足になり最終的には介護が必要となってくるというわけです。

実際、要介護のうち「ロコモ」が原因となるのは全体の約20%にも及ぶとされています。

 

私がこの言葉を知るきっかけが、最近運動不足でちょっとメタボ気味になり何か始めようと思い、加圧トレーニングをし始めてからです。

「マッスルメモリー」という言葉に出会いました。

元々、学生の頃はバリバリ運動していましたが、やはり年を重ねて筋トレとなるとなかなか続かないものでして、続けられるモチベーションを探してました。

この「マッスルメモリー」とは、筋肉には記憶能力があってトレーニングを一定期間続けると、その筋肉はなかなか落ちにくく、長年経って落ちても最初トレーニングした時よりも早く筋力が戻るということです。

例えば、一度泳ぎを憶えたり、自転車に乗れるようになると長い間しなくても泳げたり乗れたりします。

つまり早い時期にトレーニングを始めて長く続けるほど筋肉は落ちにくく、さらに失った筋力の回復も早いということです。

こう考えると、年齢を重ねて負のスパイラルに陥ってから始めるより、若いころに筋力を養って老後のより健康的な生活を送ること、運動機能だけでなくメタボの予防も兼ねて内臓まで健康でいられることが大事ではないかと思いました。

私は、若い頃に付けた筋肉はすぐ戻る!さらに長く続けると落ちにくくなる!をモチベーションに週に1回ですがトレーニングをしています。

徐々に効果は出てきています。少し出てくるとさらにやる気も出てきますよね。

参考WEB:http://www.locomo-joa.jp/locomo/

http://www.joa.or.jp/jp/public/locomo/index.html :日本整形外科学会

 

薬剤師 有村

 

心筋梗塞。

   暑い日が続きますねsweat02.gif

 夏バテなどは大丈夫でしょうか?

 なでしこJapnsoccer.gif旋風で熱気を増したスポーツ界に衝撃のニュースが入ってきました。

 サッカー元日本代表の松田選手の急性心筋梗塞。。残念ながら帰らぬ人となってしまいました。ご冥福をお祈り申し上げます。

普段から体を鍛えている選手がなぜ・・

 <急性心筋梗塞とは>

  心臓の筋肉に酸素と栄養を運んでいる、冠状動脈という心臓では大きな血管が血栓などや何らかの影響で詰まり(動脈硬化)、閉塞し、虚血という状態に陥った時、心筋が壊死を起こしていき、心臓のポンプ機能が働かなくなる状態、これが心筋梗塞です。

  同じように虚血性の疾患である狭心症では心筋の壊死はみられません。

  症状としては、30分以上続く左胸~中央付近にかけて急激な痛み、締め付け感などです。狭心症発作と似ていますが、もっと激しく長く続き、安静にしてもニトログリセリンを使っても改善しません。

  心筋梗塞のおこる危険因子としては、遺伝的要因や、高血圧、ストレス、喫煙、肥満、高脂血症や糖尿病、高尿酸血症などの代謝異常があげられます。また、寒い日の朝や、入浴前後、激しい運動などでの脱水時に起こる可能性もあります。

  心臓発作が起こった場合、患者の意識がなく、脈拍を触れない場合は直ちに心臓マッサージを行うことが必要で、心肺停止に陥った際には3~5分以上の無処置により回復困難になってしまいます。

  また心臓発作の死亡の半数は3、4時間以内で、発症6時間以内に治療開始すると生存率は上がります。酸素不足の解消のために酸素吸入などの処置がなされ、閉塞した冠状動脈を開通させるため再潅流療法である心臓カテーテル療法(PTCA、PCI)、冠状動脈バイパス手術などが行われます。

  その後、一般的内科治療としては亜硝酸剤(硝酸イソソルビド製剤、ニトログリセリン)、Ca拮抗剤などで冠動脈拡張や冠動脈攣縮予防、血圧コントロールなどを図ったり、再度狭窄が起こらないよう抗血液凝固剤、抗コレステロール剤などを服用していくことになります。

  今回の選手の発作、原因等はわかりませんが、、現在治療中の疾患がある方はきちんとお薬を服用したり、健康な方も含め生活習慣に気を配り、ご自身の体調をいたわりましょうconfident.gif

  そして、AED(自動体外式除細動器)の普及と、私たちも使えるようでありたいと思いますshine.gif

http://www.jhf.or.jp/aed/

薬剤師;原口

  

梅雨時期の皮膚感染症

 ジメジメとした時期ですね、早く梅雨が明けて欲しいものですwobbly.gif

この時期にやはり気になるのがカビですね。体にもカビは存在するんですsign01.gif体力が落ちた時や汗を沢山かいたまま放置してしまったりすると繁殖し、皮膚炎を起こしてしまいます。

 カビの正体は真菌で、細菌やウィルスよりは大きいが、肉眼では見えないので顕微鏡などで確認されます。皮膚に付いた多くのカビは温度25~30度程度、湿度約65%以上のジメジメした環境を好んで生息します。

そんなカビが原因の皮膚感染症は、表在性真菌症・深在性真菌症に大別されますが、症状が皮膚表面、爪、粘膜に限られる表在性真菌症についてお話したいと思いますkaraoke.gif

 ◇癜風◇

 「マラセチア菌」という成人の約9割に存在する常在菌が原因。普段は毛穴などに潜んでいるだけですが、過剰に分泌された皮脂を栄養源として増えると、毛穴で炎症を起こし、茶色や白っぽいシミのような斑点ができます。とくに思春期以降の方の胸や背中にできやすいです。

 ◇カンジダ症◇

 「カンジダ菌」という、主に体表面、爪、口などの粘膜、陰部などどこにでもいる常在菌が原因。プロテアーゼというたんぱく分解酵素で肌表面のたんぱく質を溶かし、角質層に侵入してアミノ酸などを栄養にして増えます。症状は患部によってさまざまで、赤い湿疹やびらん状の炎症、膿胞性の皮疹などでかゆみやひりひりを伴う症状。

 

 ◇水虫、たむし(白癬)◇

 もっとも馴染みやすい真菌症の一つ。「白癬菌」という真菌が原因。セリンプロテアーゼという酵素で皮膚表面や爪、毛髪のケラチンを分解して増殖します。そのため足や手の皮膚、特に指の間や爪、陰部や股、頭にも発生することがあります。かゆみなどを感じるときは白癬菌が角質層まで入り込み、症状がかなり進んでいることもあります。皮膚が赤く腫れたり、かさつきや水泡ができたり、爪は変形や筋が入ったり、厚くなっているようなら早めに受診しましょう。また、水虫は家族に移る可能性はありますので、家族のためにも完治させることは重要でしょう。

 

 このような症状になったら・・

 抗真菌剤の塗り薬や飲み薬で症状は改善します。ただし、重要なのは「根気が要るsign03.gif」こと。塗り薬はほとんどの抗菌剤は1日1回でいいので、必ず毎日続けましょう。爪水虫などの場合、特に時間を要しますので、3~数カ月、頑張ってお薬を続けましょう。(なお、塗り薬で基材にかぶれがでたり、飲み薬で飲み合わせの注意や血液検査が必要な場合もありますのでご注意ください)

 抗真菌剤入りのシャンプー・リンス、ボディーソープなどもあるのでスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょう。当薬局にも取り扱い製品があります。

 

 <カビによる感染症予防のポイント>

 1、シャワーや入浴はこまめにし、清潔を保つ

 2、洗う際は石鹸を良く泡立てて洗う 

 3、入浴後の水気や、汗はしっかり拭き取る

 4、清潔な下着、服、マット、寝具等を使用

 5、規則正しい生活をする

 6、疲れやストレスフリーに

 7、脂っこい食事を控え、VtBなどを多く含む食事を心がける

 

 これで、今年の夏は爽やかに過ごしましょう shine.gif

 

 薬剤師;原口