梅雨時期の皮膚感染症

 ジメジメとした時期ですね、早く梅雨が明けて欲しいものですwobbly.gif

この時期にやはり気になるのがカビですね。体にもカビは存在するんですsign01.gif体力が落ちた時や汗を沢山かいたまま放置してしまったりすると繁殖し、皮膚炎を起こしてしまいます。

 カビの正体は真菌で、細菌やウィルスよりは大きいが、肉眼では見えないので顕微鏡などで確認されます。皮膚に付いた多くのカビは温度25~30度程度、湿度約65%以上のジメジメした環境を好んで生息します。

そんなカビが原因の皮膚感染症は、表在性真菌症・深在性真菌症に大別されますが、症状が皮膚表面、爪、粘膜に限られる表在性真菌症についてお話したいと思いますkaraoke.gif

 ◇癜風◇

 「マラセチア菌」という成人の約9割に存在する常在菌が原因。普段は毛穴などに潜んでいるだけですが、過剰に分泌された皮脂を栄養源として増えると、毛穴で炎症を起こし、茶色や白っぽいシミのような斑点ができます。とくに思春期以降の方の胸や背中にできやすいです。

 ◇カンジダ症◇

 「カンジダ菌」という、主に体表面、爪、口などの粘膜、陰部などどこにでもいる常在菌が原因。プロテアーゼというたんぱく分解酵素で肌表面のたんぱく質を溶かし、角質層に侵入してアミノ酸などを栄養にして増えます。症状は患部によってさまざまで、赤い湿疹やびらん状の炎症、膿胞性の皮疹などでかゆみやひりひりを伴う症状。

 

 ◇水虫、たむし(白癬)◇

 もっとも馴染みやすい真菌症の一つ。「白癬菌」という真菌が原因。セリンプロテアーゼという酵素で皮膚表面や爪、毛髪のケラチンを分解して増殖します。そのため足や手の皮膚、特に指の間や爪、陰部や股、頭にも発生することがあります。かゆみなどを感じるときは白癬菌が角質層まで入り込み、症状がかなり進んでいることもあります。皮膚が赤く腫れたり、かさつきや水泡ができたり、爪は変形や筋が入ったり、厚くなっているようなら早めに受診しましょう。また、水虫は家族に移る可能性はありますので、家族のためにも完治させることは重要でしょう。

 

 このような症状になったら・・

 抗真菌剤の塗り薬や飲み薬で症状は改善します。ただし、重要なのは「根気が要るsign03.gif」こと。塗り薬はほとんどの抗菌剤は1日1回でいいので、必ず毎日続けましょう。爪水虫などの場合、特に時間を要しますので、3~数カ月、頑張ってお薬を続けましょう。(なお、塗り薬で基材にかぶれがでたり、飲み薬で飲み合わせの注意や血液検査が必要な場合もありますのでご注意ください)

 抗真菌剤入りのシャンプー・リンス、ボディーソープなどもあるのでスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょう。当薬局にも取り扱い製品があります。

 

 <カビによる感染症予防のポイント>

 1、シャワーや入浴はこまめにし、清潔を保つ

 2、洗う際は石鹸を良く泡立てて洗う 

 3、入浴後の水気や、汗はしっかり拭き取る

 4、清潔な下着、服、マット、寝具等を使用

 5、規則正しい生活をする

 6、疲れやストレスフリーに

 7、脂っこい食事を控え、VtBなどを多く含む食事を心がける

 

 これで、今年の夏は爽やかに過ごしましょう shine.gif

 

 薬剤師;原口

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